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すると、幸い門の上の楼へ上る、幅の広い、これも丹を塗った梯子が眼についた。
ゲスト
上なら、人がいたにしても、どうせ死人ばかりである。
ゲスト
下人はそこで、腰にさげた聖柄の太刀が鞘走らないように気をつけながら、藁草履をはいた足を、その梯子の一番下の段へふみかけた。
ゲスト
それから、何分かの後である。
九州そら
羅生門の楼の上へ出る、幅の広い梯子の中段に、一人の男が、猫のように身をちぢめて、息を殺しながら、上の容子を窺っていた。
ゲスト
楼の上からさす火の光が、かすかに、その男の右の頬をぬらしている。
冥鳴ひまり
短い鬚の中に、赤く膿を持った面皰のある頬である。
ゲスト
下人は、始めから、この上にいる者は、死人ばかりだと高を括っていた。
ゲスト
それが、梯子を二三段上って見ると、上では誰か火をとぼして、しかもその火をそこここと動かしているらしい。
ゲスト
これは、その濁った、黄いろい光が、隅々に蜘蛛の巣をかけた天井裏に、揺れながら映ったので、すぐにそれと知れたのである。
ゲスト
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